おじさん介護日記

楽しく介護。時々後ろ向き

穏やかな春の日

先々週の平日。

 

デイサービスの帰りに近くの西山公園に桜を見に行った。

 

去年もここに来たけど、1年あっという間。

新型コロナの感染が拡大しはじめた時くらいか。

その時は1年後も同じような生活をしているなんて思ってもみなかった。

 

おじさんは倒れるまでは、誰もが知っている某金融会社のシステム管理をしているSEだった。

毎日朝から晩まで働いて、滅多にない休みの日は寝て終わるような毎日。

 

疲れた顔で、眉間にはシワが刻まれ、目の下にはくま。

顔色は悪く、目尻は釣り上がり、きつーーい顔をしていた。

 

今はというと、

 

眉間のシワは消え、目尻が下がり、顔色も良いとても穏やかな顔をしている。

 

倒れた直後は麻痺が強くあり、表情に変化がなく能面のような顔だった。

何を考えているかわからなく、それがストレスだったことも覚えている。

 

5年が経ち、麻痺は少しづつ薄れて今は一見すると麻痺が残っているようには見えないくらい自然な顔になった。

 

しかし、右側には麻痺が強く残り、会話もまだまだたどたどしい。

それでもおじさんの体の中で、1番回復を実感出来るのは発話。

 

おじさん自身もそれは実感しているようで、

会話だけは普通の人のようになりたいと思って、自主練も励んでいる。

 

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おじさんには内緒だが、

私は今の穏やかなおじさんの顔が好きだ。

 

倒れた結果の表情の変化。

 

倒れた方が良かったなんて思わない。

 

どれだけ大変か、無念か、

なんてわかってあげられない。

 

でも、生かされたいのち。

少しでも人間らしく、楽しい時間を一緒に過ごして行きたいと思うのだ。

 

回復期病院にいる時、担当のリハビリの先生に倒れる前の写真を見せたら、この怖い顔は誰ですか、て驚いていた😂