口のリハビリを頑張る理由
倒れる前のおじさんはどちらかと言うと口数が少なく、何を考えているのかわからないタイプ。
仕事も忙しく帰ってくるのが0時を回ることもしばしば。休日出勤も多く、いつも疲れていてゆっくり話すことも少なかった気がする。
そういえば、おじさんが倒れた時も連勤が続いていて、どこかに行こうと約束をしていていた長期休暇の前日だった。
そんなおじさんだが、倒れてからはよく喋る。
上手に話せるようになるため、積極的に会話をするようにしていることもあるのだろう。
おじさんに聞いてみた。
倒れたあとの方がよく喋るようになったのはなぜ?
「話せば通じる事が嬉しい。」
「発症直後は全く話せず、何を言っても通じなかった。ずっと話せないかもしれない、と恐怖だった。」
「積極的に話すのはリハビリを兼ねてでもあるけど、通じることが嬉しいのは今も一緒だから。」
「話せなくなった人じゃないと、この喜びはわからないと思う。」
脳出血をおこして目覚めた直後は全く話せず、あー、うー、と発することが精一杯。
そんな中、何とか意思疎通を図ろうと五十音の手書きプレートで、指差しをしてもらい何が言いたいかをわかろうとしたが、腕が震えて思うところに差せない。書くことも当然無理。
眼振もあるから視線でも伝わらない。
おじさんはのショックは大きかった。
コミュニケーションを図るには話せるようになるしかなかった。
だからリハビリを頑張った。
今は以前の4割くらい。
目標はアナウンサーより滑舌よく。
私、「目標高過ぎない?」
高い目標じゃないと上手になれへん。
最初は今くらい伝われば良い、と思っていたけれど今はもっとスムーズに話せるようになりたい。
志しが高いのは悪いことではないか、な?