おじさんのメンタル
おじさんは基本的に感情の起伏があまりない。
いつも穏やか。
倒れる前からそうで、けんかをする時もあったけど、大概私が1人で怒っていて、おじさんに諭されて終わるような感じだった。
おじさんが倒れて4年目になるが、今もそこは変わらない。
今は少しずつ手足や会話も思うようになり、動かない、伝わらないストレスは減ってきているから、気持ちも穏やかになったのかもしれない。
でも、脳出血を起こしたあとの全く体が動かなかった時も、おじさんは同じように感情を乱すことはなく、誰に対しても低姿勢。
お医者さんやリハビリの方、看護師さんの助言を真摯に聞いていた。
病院からすれば、とても扱いやすく、良い患者だったと思う。
それが逆に私は心配だった。
ネットを見ると、体の不自由さや、将来の不安から鬱になる人もいる。
ストレスを家族にぶつける人もいる。
もし私が病気になったら、同じように感情が不安定になっているだろう。
それなのに、誰に対しても穏やかなおじさん。
会話が出来るようになってから、感情の変化について聞いたことがある。
1番近くで見ていた私でさえ気づかないが、マイナス思考の波は定期的にやってきてひどく落ち込む時もあるそうだ。
倒れて意識を戻した直後、体が全く動かない。
絶望感しかなかった。
現実を受け入れるまで2週間かかった。
まだ50歳、あと20年ずっとこの体のままで生きて行くのは嫌だ!
せめてもう少し、もう少し。
そう思って、やるしかない、て思ったそう。
まだ体が全然言うことを聞かない時の話し。
横浜の日赤と福井の回復期病院に計半年ほど入院していたのだけど、中には、おじさんに対して人間扱いをしてくれないような看護師もいたらしく、意志を伝えられないからこういう扱いをされるのだ。
看護師に対してよりも自分への憤り。
なんとかしないと、という思いがリハビリに繋がったみたい。
このブログを書く時に、何かのきっかけで気持ちが変わったの?と聞いた。
今も変わってないよ。
いつも通り、穏やかに答えた。
それ、て絶望感はまだ続いてる?
あまり多くを語らないおじさん。
聞いても答えてくれなかった。