おじさんの体の特徴
おじさんの後遺症の中に運動失調がある。
特に右半身が強く、右手の方が左手より震えが大きい。
握力も右手の方が極端に弱い。
車イスの足こぎも右足は上手くこげない。
顔面の感覚も右側が弱い。
咀嚼する時も右側の口内をよく噛んだり、表情も左右のバランスが悪い。
また、体の動きだけでなく、体温調整機能も左右で変わってしまった。
体温を測ると左右の体温が違っていたり、運動をした時に右側だけが汗ばんでいる。
右側だけが暑いので、洋服の右腕だけを脱がせたり、右側だけに保冷剤をあてたりして対応する。
こんな感じで左右の感覚が違っているのだ。
左右の感覚が違うというのは案外厄介。
車イスに乗る時、ベッドの横に車イスを置き移乗する。
突っ張り棒を持ち、真っ直ぐ立ってから一歩、二歩と移動して、車イスに座るのだ。
左右の感覚が違っていて、体感失調もあるから、右足を一歩出すにも一苦労。
誰かが支えていないと倒れる危険性がある。
おじさんは実家で両親と暮らしているが、両親は80近くと高齢で、おじさんの身長は180cm、体重は70キロ以上、慣れた私やリハビリの方が介助するには問題ないのだが、他の人がやるには危ない。
おしっこはベッドの上で尿瓶を使うのだが、
お尻を上げてリハビリパンツを下ろす。
この時、左右の足でバランスがとれず、腰を上げても右側に倒れてしまったりもする。
ベッドの上にいる時もおじさんは自主練をする。
右手が震えないようなリハビリや、背筋や大臀筋を鍛える尻上げも行っている。
自主練の成果か、右手、右足が強化され、以前に比べれば震えも減ったし、足こぎも上手になった。
お尻も上がるようになった。
でもおじさんは、右側が左と同じくらい動かせたら、とよくボヤいている。
たらればを言っても仕方ない。
今やれることをやるしかないよ。
そう言ってケツを叩く。
やらなければ、おじさんの未来はないんだから。